島原新聞

2002.11.12.(火)


一本化めざして行動を
現在の進行状況を憂慮

若い人達が竜馬になれ

合併問題で熱気あふれるディスカッション

「現在までの市町村合併の進め方は議会主導でなされている。
 決して民意が反映されているとは言えない」

9日(土)島原復興アリーナ(サブ会場)で開催された
社団法人島原青年会議所主催の
「〜16万人の生き残り方法〜明るく活力ある半島づくりフォーラム」は、
午前中の高校生による意見発表に続いて、
午後から、脚本家の市川森一氏(諫早出身)が
「島原半島に愛をこめて」と題して記念講演。

最後は、
宮本秀利氏(島原半島合併問題研究会・島原ボランティア協議会理事長)、
石川俊男氏(島原商工会議所青年部代表)、
深堀善彰氏(南高商工会青年部代表)、
竹馬一氏(小浜商工会青年部代表)、
石川景士氏(島原青年会議所理事長)の5人のパネラーに、
コーディネーターとして、前田穣一氏(ジャーナリスト)
ゲストに、市川氏を迎えて
計7人による熱気あふれるパネルディスカッションが行われた。

「3カ町案や5カ町案は論外だ」
「まるで陣取り合戦、縄張り争いみたいじゃないか。
 住民が除け者扱いにされている」
「枠組み論だけが先行して、本質的な論議がなされてない」
「言葉は悪いが、行政は住民をナメているんじゃないか」
など
冒頭から本質をついた辛らつな発言が相次いだディスカッション。

各町が実施したアンケートに関しても
「全部集めて中身を検討してみたら(公平に)採用できないものばかり。
 100%民意とは言えない」とし
「半島の全住民に対して同一書面でアンケートをしたほうがいい」
との意見が出された。

もとより市町村合併の根本論議は、
枠組みよりも
「将来の(若者が生きる)半島のあり方、ビジョンが先行されるべきものであるはず。」
この点に関して
宮本氏は
「今回の自然災害で半島の住民は(市町を越えて)痛みを分かち合った。
 人に対しての優しさや自然に対する慈しみの大切さを教訓として知った。
 財政や人口(問題)云々ではなく、それが一番(災害に)強い町ということである。
 住民の暮らしを中心に、どうすべきかを先に考えるべき」と。

石川(俊)氏は
「半島には、由布院や黒川温泉よりも、もっともっといい素材がたくさんある。
 自分の町の歴史や文化についてもっと勉強すべきだ。
 地元の人が地元の土地を愛するようになれば、
 10年15年先には、九州でもナンバーワンの観光地になれると思う」と
半島が有する秘めた魅力・素材を発掘し、生かすことを提言。

前田氏も
「合併問題はあくまでも町づくりに向けての1ステップにすぎない」と
大局の流れから見た合併の趣旨を強調した。

そうなれば必然として
「一番望ましいかたちは”一つ”になること」であり
5人のパネリストたちは言うまでもなく全員が一致した意見。

市川氏も「常識である」と付け加えた。
加えて
「このまま放っておけば(間違えば)半島は3つに分かれてしまう。
 それは三分割ということであり、そうなれば返って悪い結果になるし、
 最初からやらないほうがいい。」と
現在の進行状況を憂慮。

「何か行動を起こさなければ住民側も目が覚めない」として
「住民発議制度によって行動を起こす」方向で盛り上がった。


また聴衆側から
「行動しようとしたら町議と役場職員が会合の場に来て
 ”賛成するな”と圧力をかけてきた」と報告。
「対等合併か編入合併かだけでも対立している現状であり、
 変革することは確かに大変なこと。
 (それだけに)若い人たちの結集が必要だ」
「是非(住民発議)運動を展開してほしい」との要望が出された。


これに対して市川氏は
「あなた方の今の力は、まさに維新の力みたいだ。未来の力である。
 一人一人が坂本竜馬みたいになればまだ時間はある。」と述べ
半島を愛する青年たちにエールを送った