○島原新聞記事 

平成12年8月6日


招かれた有珠の子供達

災害に負けず強い心で

島原と深江で楽しい思い出

北海道・有珠山噴火により避難生活を続けている
虻田町の小学生約50人が4日来島し、
5日は同じ噴火災害の被災地、島原市と深江町の子どもたちと交流した。


「噴火、避難生活のことをひとときでも忘れて楽しい夏休みにしてもらおう」と、
島原商工会議所青年部(水本洋会長)と深江町商工会青年部(敷島広太部長)が
虻田町商工会青年部とコンタクトをとり、計画したもの。

普賢岳噴火災害で全国から受けた支援や励ましへの恩返しで、
「GAMADAS(ガマダス)げんき塾」と名付けた。


招待されたのは、有珠山の噴火口に近く甚大な被害を受けた
虻田町・洞爺湖温泉小学校の5・6年生49人と引率の教諭ら8人の計57人。

同小の児童は一学期、隣町の豊浦小で授業を受け、
今も不自由な避難生活を強いられている。


一行は4日早朝に虻田町を出発し、空の便で同日午後来崎。
島原市には午後4時半ごろ到着し、吉岡市長らが市役所西玄関前で温かく歓迎。
夜は海望荘で歓迎レセプションが開かれた。


翌5日は島原城や武家屋敷を見学した後、島原文化会館でホームスティ先の家族と対面し、
このあと普賢岳噴火被災地の水無川に近い島原第5小学校の子どもたちと交流。

午後からは新しくなった深江町・大野木場小学校で
洞爺湖温泉小と島原・深江両市町の児童が交流した。


交流会では大野木場小の高木満徳校長が
「噴火により学校は休校し、避難生活など大変でしょうが、
 私たちも同じ噴火災害を体験した者として皆さんの気持ちがよくわかります。
 早く自分たちの学校に戻りたいという気持ちもあるでしょうが、
 悪いことばかりではなく良いこともある。
 私たちは災害で全国から支援をいただき、人の心の温かみがわかった。
 今度は私たちがお返しをする番。
 島原・深江の子どもたちと楽しい思い出をつくり、北海道へ帰ってください。
 災害に負けず、強い心で頑張って!!」
と激励した。


大野木場小の中庭で行われた昼食会で、虻田町と島原・深江の子どもたちは、
深江町商工会女性部の皆さんが丹精込めて調理した郷土料理「ろくべえ」や、
島原半島を代表する夏の味覚「そうめん」流しに舌鼓。


洞爺湖温泉小6年の渡辺哲也君(12)は
「夏休みの楽しい思い出をつくり、帰ったらお父さんやお母さんに聞かせてあげたい」
と話していた。


子どもたちはこのあと、水無川の砂防施設で無人重機の操作を体験。
深江町の道の駅。みずなし本陣ふかえを見学し、
同河川沿いのふかえ桜パークで記念植樹を行った。


虻田町の子どもたちは島原・深江にホームスティし、
きょう6日は雲仙めぐりや原城跡の見学、イルカウォッチングなどを楽しみ、
あす7日には帰路につく。

*そうめん流しを楽しむ子供たちの写真有



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